Asubar Joel  tacla

半導体開発の
最前線で挑む!

  • Asubar Joel tacla
  • ASUBAR JOEL TACLA
  • 工学部 准教授 (電子デバイス物理)

Profile

フィリピン出身。マプア工科大学(現マプア大学)電気電子工学専攻卒業。東京都国分寺市の日立製作所中央研究所にて研究研修生としてLD-MOSFETの研究に従事した後、2009年長岡技術科学大学博士号を取得。2010年から北海道大学量子集積エレクトロニクス研究センター博士研究員。2014年福井大学テニュアトラック推進本部講師に着任。2019年福井大学工学部准教授。現在に至る。
研究者詳細ページ

便利な日常をつくる

 研究の道へ進むきっかけは、北海道大学で出会った一人の研究者でした。当時の上司でもあったその研究者が半導体デバイス研究の第一人者であり、その研究が社会に与える可能性に惹かれ、半導体デバイス研究に取り組むようになりました。
 半導体デバイスは、スマートフォンをはじめとする多くの電子機器に用いられ、電子機器の「頭脳」や「心臓部」として、現代社会に欠かせない存在です。その代表的な材料が「窒化ガリウム(GaN)」です。GaNは、天野浩教授らが2014年にノーベル物理学賞を受賞した「青色発光ダイオード」の研究成果を支える材料としても知られています。半導体や絶縁体の原子構造の中には、バンドギャップと言う電子が移動できないエネルギー帯の空白領域があり、この幅が広いほど大きなエネルギーに耐えられます。GaNは従来から広く用いられてきた半導体材料であるシリコンと比べて、バンドギャップが約3倍と広く、高い電圧や強い電界にも壊れにくい特性があります。こうした特性をふまえ、次世代半導体材料として私が注目しているのが「窒化アルミニウム(AlN)」です。

 

福井大学(電子デバイス研究室)で開発した、ノーマリーオフGaN系デバイスの模式図。
世界最高性能を示しています。

GaNのその先へ

 AlNを次世代半導体材料として期待する理由は、従来材料を超える優れた特性を備えているからです。AlNは、シリコンと比べて5倍以上大きいバンドギャップを有し、高い電圧や強い電界にも耐えられる材料です。この特性により、絶縁破壊電界強度が高く、デバイスを小型化しながらも高い耐圧性能を実現できます。
 またAlNは、制御電圧がゼロのときに電流が流れない「ノーマリーオフ」動作をより確実に実現できる材料としても注目されています。無駄な電力消費を抑え、誤動作のリスクを低減できることから、電源回路用半導体素子に求められる安全性と省エネルギー性の両立が可能になります。 現在、私たちの研究室は、天野浩教授らと共同研究を行う、日本国内でも限られた先端的研究拠点の一つです。学生とともに、福井大学から世界に通用する研究成果を発信していきたいと考えています。

It's My Favorite!

走ることが好きで、国際学会や旅行で訪れた国でランニングをしています。思い出として、その国の有名スポットとともに写真に収めています。