本学教員の研究論文が米国科学雑誌「Cell」に掲載されました。

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細胞表面に存在するイオンの通り道の動きを1分子で観測!
-世界初、SPring-8 でチャネル分子内部の構造変化を実時間検出-

JST基礎研究事業の一環として本学医学部の老木成稔教授、清水啓史助教と(財)高輝度光科学研究センター研究員の研究グループが、細胞を出入りするイオンの通り道であるイオンチャネル分子が、分子の中心を貫く穴をどのようにして開閉するか、その動作を1分子ごとにビデオ記録することに成功しました。

あらゆる細胞は、膜表面に多種類のイオンチャネル分子を備えており、これらのチャネル分子が細胞内外のイオンを出し入れすることにより、細胞周辺の情報を細胞内や隣接細胞に伝えます。
研究グループは、あらゆる細胞に普遍的に存在し、カリウムイオンを選択的に通すチャネル分子について、イオンの通り道を開閉する際に、細長いチャネル分子の構造が大きくねじれることを世界で初めて捉えることに成功しました。チャネル分子のこの形の変化がイオンの通り道である穴を絞り、流れを遮断していることが分かったのです。1分子を観察することにより、構造変化がチャネル分子の一部で起こり、分子全体に広がっていくことも同時に発見しました。
チャネル分子は生体を構成するあらゆる細胞に存在するので、この機能異常による疾患である「チャネル病」の病状は、不整脈など多岐にわたります。これらの患者において、イオンチャネル分子のどこが異常かを、その動きを踏まえて明らかにできれば、新しい治療の指針を得られることが期待されます。
本研究成果は、2008年1月11日発行の米国科学雑誌「 Cell」に掲載されました。

│ 2008年1月11日 │
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