教育学部 学校教育課程 4年
太田 瑞希さん
天気予報、感染症のリスク、商品の当たり外れなど、私たちの日常には「確実ではないこと」を判断する場面が数多くあります。しかし、学校での確率学習は、計算方法に重点が置かれやすく、日常生活で求められる判断との間にずれが生じることがあります。例えば、「1%の確率で当たるくじ」を、毎回くじを元に戻しながら100回引くとします。これは、各回の当たる確率が常に1%である反復試行の場面です。このとき、100回引けば1回当たると考えたくなりますが、実際には一度も当たらないこともあれば、複数回当たることもあります。反復試行では、結果のばらつきや分布を考えることが重要です。
私はこのような反復試行における確率の「見積もり」に着目しました。具体的には、同じ条件でくじを何度も引く場面で、「少なくとも1回当たる確率はどのくらいか」のように、学習者に見積もってもらい、その特徴を分析しました。
調査の結果、いくつかの特徴的な傾向が見られました。例えば、結果が比例的に現れると捉えてしまうことや、ばらつきや分布を考慮せずに判断してしまうことなどが明らかになりました。
こうした研究成果が評価され、数学教育学会2026年度春季年会大学院生等発表会において、「馬場奨励賞(学生優秀発表論文賞)」を受賞しました。
初めての学会発表で、不安と緊張でいっぱいでしたが、自分が取り組んできた研究を評価していただけたことは、大きな喜びであり、自信にもつながりました。不確実性が高まる現代社会において、確率的な見方や考え方はますます重要になっています。今後は大学院生として教育現場と関わりながら、本研究で得られた知見をもとに、見積もり活動を通して確率の捉え方を深める教材開発や授業実践に取り組んでいきたいと考えています。
最後に、丁寧かつ熱心にご指導くださいました先生方、研究にご協力くださった生徒の皆様、そして日頃から支えてくれた友人たちに、心より感謝申し上げます。